自慰行為が薄毛の原因になるって本当？噂の真相を解説

「自慰行為をすると薄毛になる」説の真相｜直接的な関係はないと考えられる

結論から言うと、自慰行為が原因で薄毛になるとは考えにくいです。

同様に、性行為と抜け毛・薄毛との因果関係は認められていません。「自慰行為を我慢すると薄毛になる」という噂もあるようですが、こちらも関連性はないと考えられるでしょう。

しかし、「射精をしすぎると薄毛になる」と一度は耳にしたことがある方は多いかと思います。なぜそのような説が浮上したのか、ここからは、その理由について解説していきます。

自慰行為で薄毛になると誤解される理由

射精をしすぎると、薄毛になると誤解される理由には、主に以下の2つが考えられます。

• 射精すると亜鉛が消費される
• 射精すると男性ホルモンが増える

精液にはタンパク質や亜鉛などが含まれており、いずれも髪の毛の成長には欠かせない栄養素です。

「射精によって亜鉛が消費されるから、髪の毛の成長に悪影響がある」と心配している方がいるようです。しかし、1日1回～2回程度の射精で薄毛になるほど亜鉛が消費されるとは考えにくいです。

一方、射精をすると男性ホルモンの一種「テストステロン」が一時的に増加すること、薄毛の主な原因「AGA」は男性ホルモンの増加が関係していること、この2点は事実です。

しかし、AGAはテストステロンが変化した「ジヒドロテストステロン」の増加が要因の一つと言われています。射精時にテストステロンが一時的に増えたからといって、薄毛が進行するとは言い切れません。

AGAによる薄毛の原因は「ジヒドロテストロン」

成人男性の脱毛症「AGA」発症のきっかけは、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン（DHT）」の増加です。

DHTは男性ホルモンの「テストステロン」と、人間の還元酵素「5αリダクターゼ」が結びつくことによって生成されます。

参照：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

射精をすると一時的にテストステロンが増加するのは事実ですが、それによってDHTが増殖し続けるわけではありません。

したがって、射精のしすぎが原因でAGAによる薄毛が進行するとは考えにくいです。

もちろん、自慰行為を我慢することで「薄毛が改善する」という事実もありません。

それどころか、無理な禁欲は前立腺癌の発症リスクを高めることにも繋がる可能性がありますので注意が必要です。

薄毛の原因の多くはAGA（男性型脱毛症）

​​成人男性が薄毛になる主な原因は、AGA（男性型脱毛症）によるものです。

AGAは主におでこの生え際または頭頂部のどちらか、あるいはその両方の薄毛が進行する脱毛症です。

生え際がM字型のようになったり、つむじが広がったりする症状の場合、AGAが進行している可能性が考えられます。

また、AGAの発症は射精ではなく、遺伝によるものが大きいとされています。

AGAによって薄毛が進行している場合、射精回数を減らしても症状が改善されるとは考えにくいです。そのため、「射精回数を減らせば薄毛は自然に治るだろう」と期待してはいけません。

AGAによる薄毛を改善するためには、専門医に相談し早期にAGA治療を受けることをおすすめします。

AGAのメカニズム｜男性ホルモンがDHTに変化

AGA発症のメカニズムは次の通りです。

1. テストステロンと5αリダクターゼが結合する
2. DHT（ジヒドロテストステロン）が発生する
3. 男性ホルモンレセプターがDHTをキャッチする
4. 脱毛因子「TGF-β」が増加する
5. TGF-βが毛乳頭細胞に退行期のシグナルを出す

男性ホルモンの一種「テストステロン」が、還元酵素「5αリダクターゼ」と結合することによってDHTが生成されます。

DHTが「男性ホルモンレセプター」と呼ばれるホルモン受容体に取り込まれることで、脱毛因子「TGF-β」が増加します。

TGF-βは毛乳頭細胞に脱毛のシグナルを出し、ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行するという仕組みです。

AGAの発症や症状を抑えるためには、DHTの生成を妨げることが大切です。

AGAの主な原因の一つは遺伝によるもの

AGAの主な原因の一つは遺伝によるものと考えられています。なぜなら、以下2つの要素は親から子へ引き継がれやすいからです。

• 5αリダクターゼの活性度
• 男性ホルモンレセプターの感受性

5αリダクターゼの活性度が高い方はDHTを生成しやすい傾向にあります。活性を持つ遺伝子は優性遺伝のため、両親のどちらか一方でも活性度が高ければ、その活性度を子供が引き継ぎやすいです。

また、男性ホルモンレセプターの感受性は隔世遺伝すると考えられています。

隔世遺伝とは、世代を超えて祖父母など親より上の世代の遺伝子を受け継ぐことです。そのため、先祖に男性ホルモンレセプターの感受性が高い人がいれば、両親が薄毛でなくても、その子孫が薄毛になることがあります。

AGAの遺伝に関して、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

AGAの対策・予防法

AGAの対策・予防法として主に次の3つをご紹介します。

• 専門医に相談し、AGA治療を受ける
• 生活習慣を見直す
• ストレスを解消する

AGAはヘアサイクルを乱して脱毛を促す疾患です。

生活習慣の乱れや過度なストレスを抱えると、頭皮環境が崩れ、ヘアサイクルの乱れを引き起こすと考えられています。ヘアサイクルを整えるためには、AGAの治療に加えて生活習慣を見直したり、ストレスを解消したりするのも大切です。

ここからは、それぞれの詳細について解説していきます。

①専門医に相談し、AGA治療を受ける

AGAによる薄毛を改善したいのであれば、AGA治療をおすすめします。

AGA治療はさまざまありますが、主に内服薬と外用薬の投薬治療が用いられます。どのような治療を行うかはAGAの進行度や症状によって異なり、医師の診断により一人ひとりに合った治療を行います。

そのほか、植毛や注入薬もAGA治療の一つです。

正しく診断・治療を行うために、AGAが疑われる場合にはAGAクリニックや皮膚科など、専門医に相談しましょう。

②生活習慣を見直す

生活習慣を見直して、生活リズムを整えるのも薄毛改善には大切です。

偏った食生活や睡眠不足、運動不足など、生活習慣の乱れは血行不良を招き、頭皮環境の悪化、ヘアサイクルの乱れにつながります。

栄養バランスの整った食生活を送るほか、1日最低6時間以上は睡眠時間を確保し、適度な運動を行いましょう。

③ストレスを解消する

過度なストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れ、ヘアサイクルの乱れにつながります。

ストレスの要因はさまざまですが、性格による「心理的要因」と仕事や仲間など人間関係による「社会的要因」の2つに大別されます。

自身のストレスの原因を突き止め、ストレスがかからないような生活を心がけましょう。

適度な運動や趣味に打ち込むな、自分なりの解消法を身につけることをおすすめします。

将来薄毛になる可能性があるかは毛髪中のDHT量でわかる

将来的にAGAによる薄毛を発症する可能性があるかどうかは、毛髪中のDHT量が目安になります。

AGAの発症はDHTが関係していると考えられています。AGAを発症しているかどうかは血液検査や診療による医師の評価が必要ですが、毛髪内のDHT量を測れば、AGAリスクを判定することが可能です。

今すぐ「毛髪ホルモン量測定キット」でAGAリスクをチェック

あすか製薬メディカルは5～10本※の髪の毛でAGAリスク及びDHT（AGAの原因の1つである男性ホルモン）値がわかる「毛髪ホルモン量測定キット」を提供しています。
※3cm以上の髪の毛を5本以上。長さが足りない場合は10本以上切ってください。

将来的な薄毛が心配な方、最近抜け毛が増えてきたと感じる方は、測定キットの活用をおすすめします。
※本検査キットは医師の診断に代わるものではありませんので、AGAが疑われる場合には医療機関にご相談ください。

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まとめ：自慰行為＝薄毛の直接的な原因とは考えにくい

射精のしすぎで薄毛が発症することは考えづらく、また禁欲することで抜け毛が減るということはないでしょう。

最近抜け毛が増えたと感じる方は、射精ではなくAGAが原因かもしれません。

AGAはDHTの生成が原因の1つの脱毛症です。毛髪内のDHT量を測ることでAGAリスクを知ることができます。

ぜひ一度、あすか製薬メディカルが提供している「毛髪ホルモン量測定キット」を活用してみてはいかがでしょうか。