需要が高まるオンライン診療|実際に導入するAGA治療クリニックを取材
〜銀座総合美容クリニック〜
最近よく耳にするようになった「オンライン診療」という言葉。
非接触で医療機関を受診できるため、コロナ禍において注目されている診療の方法です。 保険診療をはじめ、一般的なオンライン診療は主にこのような流れで行われています。
AGA治療においても、オンラインで診療を受けられると聞くと便利そうに聞こえますが、実態について詳しく知りたい方も多いはずです。
そこで今回は、オンライン診療を導入するAGAクリニック「銀座総合美容クリニック」に取材を行いました。
診療現場のリアルな声からオンライン診療を適切に利用する方法がわかりますので、ぜひ参考にしてください。
AGAクリニックはオンライン完結できる?答えは「Yes」だが問題も
オンライン診療が注目されている背景は、昨今の新型コロナウイルスの流行が関係しています。
2020年4月に厚生労働省よりコロナウイルス感染拡大下における一時的な緊急措置として、医療機関における「オンラインでの遠隔診療」を解禁する通達が出されたことを契機に、オンライン診療を導入するクリニックが広がりました。
オンライン診療は、
- 非接触で医療機関を受診できる
- 来院する手間を省ける
- 気軽に足を運べない遠隔地の医療機関にも診てもらえる
- 受診ハードルが下がることにより重大疾患を見逃さない
といった期待の声があがる一方で、次のように不安視する声もあります。
- 正しく症状を診てもらえるか不安に思う
- Webカメラ越しのコミュニケーションに冷たさを感じる
今回取材した銀座総合美容クリニックもオンライン診療を導入しているクリニックです。
初めての利用者でも抵抗なく相談できるように、「オンラインカウンセリング」と「オンライン初診」で来院不要の診療方式を実現しました。また、通院中の方も希望があればオンライン診療を実施中です。
さっそく現場の声をお聞きします。
医療現場におけるオンライン診療の捉え方
今回はオンライン診療との向き合い方がテーマです。オンライン診療を導入する銀座総合美容クリニックにお話を伺おうと思います。
よろしくお願いします。
まずは、診療をオンラインで行うことについてどのように考えているのかをお聞きしたいです。
昨今、対面で行ってきたことをオンライン化する流れが強まっているように感じます。ただ何事もオンライン化することに抵抗を感じる方も少なくはありません。
今まで来院が主であった診療をオンラインで行っても問題はないのでしょうか。
問題ありません。そもそもオンライン診療は誤った使い方をしなければとても有用なものです。
誤った使い方というのは、どのようなことでしょう。
「オンライン診療=オンラインで治療のすべてが完結するもの」だと誤解して利用されることです。
「オンライン診療」という言葉を聞くと、あたかも治療がすべてオンライン上で行われる想像をしてしまいます。実際には診療の一部しかオンライン化できないということなのでしょうか。
その話についてはオンライン診療というものが業態ではなく、手法であると捉えたらわかりやすいです。
業態と手法の捉え方について詳しく教えてください。
私たちの業態は「オンライン診療機関」ではなく、あくまで「医療機関」であり、目的は「治療」です。目的を達成する手法として、「対面」と「オンライン」の2つ選べるようになったというように捉えて欲しいです。
なるほど。あくまでオンライン診療の導入は治療手段の選択肢を広げるためであり、「オンラインだけで治療ができるようになった」ということではないのですね。
そうですね。この治療がオンライン完結できないという話は、保険診療の場合を考えてみるとわかりやすいです
保険診療とは、体調が悪くなったときに行く医療機関の受診ですね。
はい。もし保険治療でオンライン診療をしていたとして「医師が症状を詳しく確認する必要がある」とか「ご本人が『詳しく症状を診て欲しい』」とか「薬の副作用が気になる」という話になれば、実際に医療機関へ出向くことになるでしょう
確かにそうですね。オンライン診療で症状を相談するだけでは治療とはいえない気がします。
つまりなぜ保険治療で対面診療が必要なのかというと、その方の状態によっては症状を詳しく確認することや、場合によってはきちんと検査をして状況を確認しないと、大きな病気の見落としに繋がってしまう場合もありますし、治療経過をきちんと確認しないと効果や副作用についても影響が出る場合があるからなのです。
なるほど。医療における対面診療の重要性がよくわかりました。
AGA治療はオンライン完結できるのか
先ほど保険治療の例で対面診療の必要性を説明されましたが、AGA治療の場合はどうでしょう?
AGAは保険治療における病気などとは違い、健康被害を及ぼさない分、オンライン完結できるようにも解釈できるのですが。
確かにAGA治療はオンライン診療で完結できると思われやすいです。
AGA治療をオンライン診療のみで行う場合の問題点について詳しく教えてください。
まずは診察とは何かを説明します。
診察には「問診」と「視診」「触診」の3つの手法が含まれます。
問診に関しては、オンラインでも同様のことができる点で完結可能ともいえるわけです。
ただそれだけで本当の意味で診察診療が完結するわけではありません。
「問診」と「視診」「触診」というのはそれぞれどのような意味があるのでしょうか。
診療というのは、患者さんの現状を経緯も含めきちんと把握し、その状況に合わせて適切に治療を行う為に必要な物です。
患者さんの現状をきちんと把握するという点において、これまでの経緯やご本人の自覚的な症状については問診を通じ画面越しであっても状況確認はできます。
一方、現在の症状については画面越しでも最低限の情報は確認できますが、実際に視診や触診を通じ薄毛部位を見て触って確認するのに比べると大きく情報量が劣るので、画面越しではやはり十分とは言えません。
そう聞くと、画面越しで症状を相談する問診だけで治療が完結するとはいえない気がしてきました。
そうですね。触診は現状の把握と、治療効果の確認をするうえで非常に重要なのです。
治療の効果は、例えば頭皮に産毛が生えてきたなど、日々の小さな積み重ねとして現れます。
決して一目でわかる変化が起こるわけではありませんので、目で見て、時にはスコープで拡大したりなど、また実際に触って詳しい状況を把握する必要があるのです。
つまり、小さな変化も見逃さないためにも視診触診は重要なのですね。
そうです。現状や治療の効果を正しく把握するためには、医師と患者さん間で小さな変化を伝え合う必要があるので、画面越しのコミュニケーションだけでは明らかに不足となります。
医師側からは情報量の不足となりますし、患者さん側からは状況を伝えきれない不安がもたらされるでしょう。
なるほど、結局はAGA治療においてもオンライン診療のみで治療することは難しいのですかね。
【AGA治療でオンライン診療ができる理由】
対面での診療と同じく、問診と簡易的な視診による診察と薬の処方ができるため
【AGA治療がオンライン診療だけで完結しない理由】
医師側としてはきちんと視診問診が出来ないため詳しい現状の把握が難しく、患者側としては症状を詳しく診てもらいたい際、詳しく視診触診をしてもらえないことで不安に感じるため
オンライン診療で患者の悩みが救えるか
先ほどの「オンライン診療で治療が完結できるか」というお話のなかで、オンライン診療は手法であることが分かりました。
次にオンライン診療が導入されたことで、患者さんとクリニックの関係がどのように変わるのかを伺います。
AGAクリニックはオンライン診療をどう見ているか
オンライン診療というものが導入されて、AGAクリニックの立ち位置はどのように変わったと考えていますか。
立ち位置が変わるというのは、どういうことでしょう?
患者さんからの見え方ですね。「Webカメラ越しのコミュニケーションに冷たさを感じる」という方も一定数います。今後オンライン診療が普及したとして、患者さんから見たAGAドクターがより機械的に映るようになるのではないのかと危惧しています。
そのような意味でしたらAGAクリニックの立ち位置は変わりませんね。オンライン診療が普及したとしても、患者さんの不安を解決するうえで医師との対面診療は欠かせないからです。
それはなぜでしょう。
オンライン診療は、いわばオンラインショッピングに近いようなイメージとも考えられます。自宅にいながら薬を処方され、治療を継続できるので、手軽に感じます。
そうですね。だからこそ、便利なオンライン診療の利用が増えて、医師との対面診療を重視しなくなると思いますが。
患者さん側の視点に立つとオンライン診療だけでは不安なケースがあることも見えてきます。
医師に直接相談したい、という患者さん側のニーズはなくならないのですね。
はい。先ほどのオンラインショッピングの例で説明しましょう。人生において大切な日に着ていく服を、オンラインで買おうと思う人は多くないですよね?
そうですね。そのような場合、実際に店を何件か回って試着したり、結婚式などのもっと大切な日であればコーディネーターなどのプロに相談しながら服を選ぶこともあると思います。
薄毛の悩みについても同様です。患者さんは重要な悩みほど、医師と直接会って相談することで解消したいと考える方も多いです。
そうかもしれませんね。薄毛を深刻に捉えているほど、直接症状を見せて専門家の言葉を聞いた方が安心できるように思えます。
つまりはオンライン診療が一般化したとしても、対面診療の重要性は薄れません。この2つの手法の持つ役割は違いますからね。
なるほど。AGAドクターの立ち位置を単純に「治療を行う」という側面でしか見ていませんでした。AGAドクターには、患者さんの不安を解消するという役割があるのですね
そうですね。他の病気の医師とは違い、症状の裏にある悩みや問題点まで理解して最適な提案をすることがAGAドクターの役割に近いのかもしれません。
手法が変わってもAGA患者の抱える悩みは変わらない
オンライン診療の話題を軸に質問してきましたが、新たな仕組みができたとしても基本的なAGAクリニックの治療自体は変わらないのだと理解しました。
そうですね。私たちが行っていることは治療であり、悩みの解決なのです。
次に悩みの解決という目的について詳しくお伺いしたいのですが、AGAクリニックに訪れる患者さんの持つ「髪を元通りにしたい」という願いを達成することが治療の目的だと考えて宜しいのでしょうか。
確かにAGA発症前の状態にまで髪を戻したいと仰る患者さんも多くいます。
初期段階であればそれも可能ですが、実際には例えば40代以降で症状がある程度進行している方が10代の頃のような毛量にまで戻したいといってもそれは時として難しいでしょう。
それはつまり、ある程度進行した状態の患者さんの悩みが解決できないことになりませんか。
いえ、「髪を元に戻したい」といっている患者さんでも、本当の悩みは別にあるのです。
それはつまりどういうことでしょう
もちろん、治療効果の側面だけ見たら、ある程度薄毛が進行した方を10代の頃のような状態にまで戻すことは難しいです。しかし、患者さんの多くは個人差との比較を埋めることで満足してもらえます。
個人差との比較とはどのようなことでしょうか。
例えば生え際の後退を特に気にしているのだとしたら、周囲と比べたときの生え際の髪の毛の密度の薄さが気になっているのでしょう。
そのような場合、10代の頃のような髪にまで戻さなくても、生え際密度が高まりボリューム感を持つことで満足感につながるかもしれません。
つまり本人にとっての治療のゴールは、年相応の状態になるということですね。そうなると、その患者さんの真の悩みとは周りの同年代と比べて薄い部分があることなのかもしれません。
他にも髪が薄いことで、パートナーが見つからないと悩んだり、結婚ができなくなるのではないかと不安視される方もいます。そうなってくると、髪を生やすという治療以前に、自信を取り戻していただくことが悩みの解決になると思います。
話を聞いていると、AGA治療というものは外観だけの事でなくその方の人生に関わっているものなのかもしれませんね。
患者さんは誰しも髪を生やしたいと来院されますが、根底にあるのは将来への不安です。そのため患者さんの不安が何かを理解した上で、解消するまで寄り添っていくことが私たちの治療ともいえますね。
AGAクリニックのオンライン診療を賢く利用するには
オンライン診療の話題からAGAドクターの役割にまで話が広がりました。取材をするなかで新たな仕組みができたとしても、基本的なAGAクリニックの治療自体は変わらないことを理解しました。
私たちの立場はあくまで病院です。病院とはできれば行きたくないところでしょう。それでも患者さんが来院するのは治してもらいたい症状があるからです。
私たちはそのような期待に応えるために、適切な治療を患者さんの負担ができるだけ少ない状態で提供し続けなければなりません。
そのため、適切な治療を見極める上での「対面診療」も行いますし、治療し続ける負担を抑えるために「オンライン診療」も選べるようにしています。
なるほど。今までの話でAGA治療における対面診療の重要性がよくわかりました。ただ、オンライン診療についてはまだ十分に理解できていないところがあります。
続いての質問はオンライン診療の良いところと悪いところに焦点を当てます。
オンライン診療が患者にもたらしたもの
患者さんの悩みの解決をする上で、対面診療の手法が重要だという事がわかりましたが、反対にオンライン診療が使われる場面というのはどのようなときでしょう。
治療が順調に進んでいるときの経過確認などにはオンライン診療はとても便利な手法と言えます。来院の手間を削減できるというオンライン診療のメリットが生かされています。
ある程度治療が進めば、クリニック側も患者さんの状況はきちんと確認できていますし、患者さん側も治療自体に慣れて来ていますから、貴重な仕事の休みを潰して通院しなくても診療が受けられるオンライン診療は現代的で素晴らしい手法です。
定期的に行う治療の一部が簡略化することは患者さんにとって良いことかもしれませんね。
他にもオンライン診療の手法が導入されたことによるメリットはありますか。
病院が少ない地域でも医療が受けられるという点はメリットに感じます。
確かにAGA専門のクリニックの場合、全国各地にあるわけではないですし、都市部へ頻繁に通えない患者さんが治療を受けられるようになったことはメリットにも感じます。
加えて昨今のコロナウイルス拡大の事情を考えると、非接触で治療を受けられることもメリットだと考えています。
これからの時代、時としてコロナウイルス感染症とはある程度社会として付き合っていかないといけない部分もあるので、感染拡大の時期にはオンライン診療を利用し、感染が落ち着いた時期には対面診療を行うなどの手法もありますよね。
AGAクリニックへの来院を重要なときにのみ絞ることで、第三者との接触による感染リスクは下がりますね。
オンライン診療で考えられる患者の不利益
オンライン診療は副作用が出ているときや、症状が悪化しているときなど患者さんの危機感が高まったときの利用は適さないとの話がありましたね。
その他にもオンライン診療でのデメリットは何かありますか。
やはり頭皮の詳しい状態まで見えないことがデメリットですね。治療効果が見え始める初期段階では、細かい産毛が生え始めていることから効果を検証しています。
Webカメラ越しだと十分に確認できないため、効果の検証が難しいです。
詳しく頭皮の状態を確認したい時は、オンライン診療が適さないということでしょうか。
そうですね。同様に初回診療も可能であれば対面で行うのがベターです。効果検証をする際には初回との比較を行っていくことになりますので、初回の状態を正しく確認しなければなりません。
今こそ伝えたい、オンラインと対面の併用診療のススメ
先ほどのメリットやデメリットも考えた上で、AGAクリニックとしてオンライン診療をどのように活用しますか。
時期に応じて対面とオンラインを使い分けることで治療します。
対面診療を選ぶべき時期はいつでしょうか。
最初の頭皮の状態や出始めの効果を確認する初期です。
例えば産毛が生えてきた場合、治療の効果が出ているのを医師の目で確認することで患者さんは安心します。
逆に初期脱毛の症状が見え始めた場合なども、それが本当に初期脱毛なのか単なる抜け毛であるのかを直接見て伝えた方が良いでしょう。
他にも治療を始めた初期は薬の副作用なども気になりますね。
そうですね。医師はしっかりと状況を確認した上で、必要な対処を行わなければなりませんし、治療が上手くいっているのならそのこともしっかり伝えなければなりません。そのため、初期において対面診療は重要です。
あえてオンライン診療をすべき時期もあるのでしょうか。
そうですね。ある程度改善が続いているような状態であれば、オンラインで途中経過をヒアリングする方が来院の手間も減ってスムーズでしょう。
なるほど。初期は対面診療、途中からオンライン診療も併用していくことが賢い利用方法なのですね。
はい。ぜひAGAクリニックのオンライン診療を検討中の方はこの使い分けを参考にしてみてください。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
今回は銀座総合美容クリニックに取材を行い、オンライン診療の正しい捉え方や活用方法について解説しました。
もしAGAクリニックでの治療を考えているのなら、オンライン診療の便利さだけでなく、対面診療の価値や重要さについても考えてみた方が良いかもしれません。
対面診療とオンライン診療、それぞれを選択できる手法だと捉えて、その時々でベストな選択を取れるよう医師と相談しながら薄毛の改善を目指しましょう。
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