ストレスで記憶が飛ぶ?記憶障害の原因や対処法

ストレスで記憶が飛ぶ?
記憶障害の原因や対処法

「最近忙しすぎて記憶が飛ぶことがある」「ついさっきの出来事なのに記憶がない」

このような症状は、過剰なストレスによる記憶障害が原因かもしれません。過剰なストレスは脳の認知機能を低下させ、集中力や記憶力を低下させることがわかっています。

この記事では、ストレスによって記憶障害が起こる原因とその対処法について解説します。記憶が飛ぶ症状に自覚がある方は、最後まで読むことでその原因がわかるかもしれません。

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みんなのホルモン研究所

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ストレスは記憶が飛ぶ原因になる!記憶障害を引き起こす病気

以下の記憶障害を引き起こす病気は、過剰なストレスが原因のひとつとされています。

  1. 解離性健忘症
  2. 一過性全健忘
  3. 抑うつ状態
  4. 認知症・若年性認知症

それぞれの具体的な症状や対処法について、詳しくみていきましょう。

①解離性健忘症

解離性健忘症は、心的外傷や強いストレスによって引き起こされる記憶障害の一種です。

身体的虐待や性的虐待、レイプ、戦争、事故、自然災害、愛する人の死など、強烈な出来事を経験した人に多い症状です。

日常の小さなストレスの積み重ねとはまた違います。

記憶の飛び方の特徴としては、自分自身の過去の記憶の一部に空白期間が見られ、その長さは数分から数十年に及ぶこともあります。

  • 記憶がない期間がある
  • 過去の記憶があまりない
  • 嫌な記憶を思い出せない
  • 幼少期の記憶が薄いなど

以上のように、過去の記憶が一部だけ喪失しているような状態は、解離性健忘症の疑いがあります

治療では主に、支持的な環境の提供(ストレス要因からの離脱)や記憶想起法、精神療法などにより、欠落した記憶の復活を目指します。

※参考:MSDマニュアル|解離性健忘

②一過性全健忘

一過性全健忘は突然起こる一時的な記憶障害です。

発症すると一時的に(通常は1~8時間、最長で24時間)新しいことを記憶できない状態になり、ときには発症以前の記憶も失われます。

以下のような症状は、一過性全健忘の特徴です。

  • 今自分がここで何をしているのかわからない
  • 今日何をどのようにしていたか記憶がない
  • 周りの人に同じ質問や言葉を繰り返す

一過性全健忘の原因ははっきりとはわかっていませんが、過度の飲酒や特定の薬の服用、ストレスなどが引き金になるとされています。

また、脳梗塞やてんかんなど、特定の病気によって引き起こされることもあります。

一過性全健忘は永続的な影響を及ぼさないため、基本的に治療は必要ありませんが、脳梗塞やてんかんなどが原因として疑われる場合には原因の治療が必要です。

※参考:MSDマニュアル|一過性全健忘

③抑うつ状態

抑うつ状態とは、気分の低下や倦怠感、睡眠障害などを特徴とする精神障害です。慢性的なストレスは抑うつ状態の発症リスクを高めるとされています。

※参考:梶達彦他|中高年における抑うつ症状の出現と生活上のストレスとの関連

抑うつ状態になると認知機能が低下し、集中力や記憶力が減少するため、記憶障害が起こりやすくなるのです。

気分の低下や倦怠感、睡眠障害などとあわせて以下のような症状がある方は、ストレスによる抑うつ状態の疑いがあります。

  • 物忘れが増えた
  • 記憶力が悪くなった
  • 最近の出来事なのにうまく思い出せない

また、睡眠障害の治療薬として処方されるベンゾジアゼピン系睡眠薬には、前向性健忘(服用後の記憶が思い出せなくなる症状)の副作用があります。

「寝る前の記憶が思い出せない」という場合は抑うつだけでなく、治療のために服用している睡眠薬の副作用が関係しているのかもしれません。

④認知症・若年性認知症

過度のストレスは認知症のリスクを増加させることがわかっています。

※参考:Association of Stress with Risk of Dementia and Mild Cognitive Impairment: A Systematic Review and Meta-Analysis

認知症は高齢者によく見られる、記憶力や認知機能の低下が特徴の病気です。

65歳未満では「若年性認知症」と呼ばれ、進行すると以下のような症状が現れます。

症状
記憶障害・予定や約束を忘れる
・人の名前や重要な情報が覚えられないなど
認識障害・自分の家族や友人を認識できない
・物の使い方がわからないなど
言語障害・文章や会話の内容が理解できない
・言葉がうまく出てこないなど

※参考:厚生労働省|認知症を理解する

また、認知症と診断されなくても、物忘れがひどい場合は「軽度認知障害」の可能性があります。

軽度認知障害は認知症の初期段階ではあるものの、日常生活においてはさほど問題がない状態です。

軽度認知障害の患者は、年間10~15%が認知症へ移行すると言われています。

※参考:厚生労働省|軽度認知障害

「ストレスホルモン量検査キット」であなたのストレスレベルを見える化

ストレスチェックキット

強いストレスを感じると、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が多量に分泌され、認知機能を低くする=「記憶が飛ぶ」ことがあります。

コルチゾール濃度が高くなると、記憶力の低下だけでなく、不眠、免疫力の低下、脳を傷つけるなどさまざまな不調をきたすおそれがあるので、日々の健康管理のためには、ご自分のコルチゾール濃度を把握することが重要です。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛※1もしくは爪※2からストレスを見える化できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発しました。

ストレスホルモン量検査キットは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」の量を測定できるキットです。

使い方は簡単3ステップ!

  • 髪の毛※1もしくは爪※2をカットする
  • カットした検体を袋に入れる
  • ポストへ投函したら完了!あとは結果を待つだけ

3分ほどで完了します。

結果レポートでは下記のことがわかります。

  • ストレスホルモン「コルチゾール」の数値
  • ストレスレベルを4段階で評価
  • 改善点やアドバイス

ストレスと上手に向き合い、心と体の健康向上を目指しましょう。※3

※1 3cm以上の後頭部の毛髪を10本以上。長さが足りない場合は15本以上カットしてください。
※2 1週間程度伸ばした両手の親指の爪。ネイルをされている場合は、ネイルオフしていただく必要があります。
※3 分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

こんなサインには要注意!記憶障害の初期症状

記憶障害は高齢者に限らず、若い方でも発症する可能性があります。

早めに気づき、適切な対策を取るためにも、以下のサインには注意が必要です。

  1. 若いのに直前の記憶が飛ぶことがある
  2. 仕事が忙しすぎて記憶が飛ぶことがある
  3. 疲れすぎて記憶がないときがある

それぞれ、詳しくみていきましょう。

①若いのに直前の記憶が飛ぶことがある

若いのに直前の記憶が飛ぶことがあるのは、記憶障害の兆候かもしれません。

10代や20代の若い世代においても、以下のような原因によって記憶障害が生じることがあります。

  • 強いストレスによる一過性全健忘
  • 特定の薬物の影響(とくにベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬)
  • アルコールの影響
  • 睡眠不足
  • 神経系の疾患(若年性アルツハイマー病)
  • 偏った食事・運動不足などによる副腎疲労など

記憶の欠落や物忘れが頻繁に起きる場合は、若年性認知症などの病気の可能性もあるため、早めに医師の診察を受けることが大切です。

②仕事が忙しすぎて記憶が飛ぶことがある

仕事が忙しすぎて記憶が飛んだり、予定や約束を忘れたりする症状は記憶障害の可能性があります。

忙しい仕事環境ではストレスが蓄積しやすく、過剰なストレスは記憶力に悪影響を与えるからです。

予定の忘れや業務の単純ミス、情報の欠落などが頻繁に見られる場合は、多忙によってストレスが溜まりすぎているのかもしれません。

また、多忙な生活による睡眠不足も記憶障害の原因のひとつです。睡眠不足は脳の認知機能に悪影響を及ぼすことがわかっています。

※参考:瀬尾明彦他|睡眠時間が翌日終日の認知・運動機能に与える影響

症状の進行が見られる場合や、なかなか回復しない場合は医師の診察を受けるようにしましょう。

③疲れすぎて記憶がないときがある

疲れすぎて記憶がないと感じる場合は、記憶障害を引き起こしている可能性があります。

疲労がたまると集中力や注意力が低下し、情報の処理能力が鈍化します。

疲れている状態では、新たな情報を記憶したり直前の出来事を思い出したりすることが難しくなるのです。

十分な休息や睡眠を確保し、記憶力の維持にも努めましょう。

慢性的な疲労や記憶障害の背後には、脳に関する疾患をはじめ、他の要因が潜んでいる可能性もあります。

休息や睡眠をとっても繰り返し記憶が飛ぶ場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

ストレスを自覚している場合の対処方法

ストレスを自覚している場合、以下の対処方法を試すことで、ストレス軽減や記憶力の改善が期待できます。

  1. ストレスの原因を解明し解消に努める
  2. 環境・生活を改善する
  3. 心療内科・精神科を受診する

それぞれ、詳しくみていきましょう。

①ストレスの原因を解明し解消に努める

ストレスによる記憶障害を自覚している場合、ストレスの原因を解明し解消することが大切です。

まずは、自身がどのような要素からストレスを感じているのかを見つけましょう。以下のように、さまざまな要素がストレスの原因となる可能性があります。

  • 仕事の過剰な負荷や人間関係
  • 家庭の問題
  • 生活習慣の乱れなど

自己分析や日記を活用したり、ときには医師やカウンセラーなど専門家のサポートを受けたりして、具体的な要因を洗い出してみてください。

ストレスの原因が明確になったら、それに対する具体的な対策を考えましょう。

たとえば、仕事の負荷を調整する、コミュニケーションを改善する、生活リズムを見直すなど、自分にとってのストレス軽減策を実行に移しましょう。

記憶障害の改善には時間がかかることもありますが、ストレスの原因を解消することで症状の軽減が期待できます。

②環境・生活を改善する

環境や生活の改善は、ストレスを軽減する有効な方法のひとつです。ストレスを軽減することで、記憶障害の改善にもつながります。

たとえば、職場の環境や人間関係で心身に影響が及ぶほどのストレスを感じているなら、休職したり転職したりするなど、ストレスの原因を避けることもひとつの手段です。

また、生活習慣を見直すことも大切です。十分な睡眠時間を確保し、毎日適度な運動を行うことを心がけましょう。

食事によってストレスへの対処能力を向上させることも可能です。以下の栄養素は、ストレスの軽減やホルモンの生成に役立つことが知られています。

栄養素食べ物
トリプトファンバナナ、大豆製品など
GABA(γ-アミノ酪酸)発酵食品、玄米、アーモンドなど
ポリフェノール紅茶、コーヒー、赤ワイン、チョコレートなど
ビタミンB郡鶏肉、魚、卵、豆類、ナッツ類など
ビタミンC柑橘類、キウイ、ブロッコリー、トマトなど
ビタミンEナッツ類、オリーブオイルなど

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、ストレスへの対応力を高められるでしょう。

③心療内科・精神科を受診する

ストレスによる記憶障害の症状が見られる場合、まずは心療内科・精神科の受診をおすすめします。

記憶障害や物忘れなどの症状は、脳に関する病気や認知症などの可能性があるからです。

病状によっては、脳神経内科や脳神経外科の受診も必要になるでしょう。

また、ストレスによる記憶障害は副腎疲労が関連している可能性もあります。

副腎疲労はストレスによって副腎皮質が過度に刺激され、コルチゾールの分泌が乱れている状態です。

副腎疲労によってコルチゾールの分泌が乱れると、記憶力や注意力の低下、睡眠障害やうつ症状を引き起こすとされています。

副腎疲労は病名ではありませんが、内科で診てもらえる場合があるので、心療内科・精神科で記憶障害の原因が見つからなかった場合の選択肢として、覚えておくとよいでしょう。

適切な治療を受け、副腎機能を回復に導くことで記憶障害の改善が期待できます。

記憶障害に悩んでいる場合は医療機関の受診を

過剰なストレスは心身にさまざまな影響を与えます。一過性全健忘や認知症など記憶障害の発症リスクを高めることもそのひとつです。

「若いのに物忘れが激しい」「仕事が忙しすぎて記憶が飛んだり、予定を忘れたりしてしまう」

このような症状が頻発する場合は、心療内科や精神科、内科(副腎疲労が疑われる場合)の受診をおすすめします。

頻発する記憶障害はストレスだけでなく、脳の異常や認知症の兆候などさまざまな可能性があるからです。

記憶障害に悩んでいる場合は、自身の健康を最優先に考え、迷わず医師の診察を受けることをおすすめします。

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