薄毛治療の方法と費用相場

日本人の成人男性の約30%はAGAを発症する

AGA（男性型脱毛症）は、日本人男性の約30％が発症すると言われている脱毛症です。

参考：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」

薄毛＝中年男性特有の症状というイメージがありますが、AGAは年齢を問わず誰でも発症する可能性があります。早い方では20代前半で症状が進行するため、若くして薄毛症状が顕著な方は、一度クリニックで診察を受けることをおすすめします。

AGAは一度発症すると自然治癒は困難と言われていますが、適切なAGA治療を受けることで薄毛の改善が見込めます。

薄毛治療の選択肢は5つ

薄毛改善を目指すにあたり、治療の選択肢には以下5つの方法があります。

1. 内服薬
2. 外用薬
3. 注入療法
4. 自毛植毛
5. 光・LED治療

ここからはそれぞれの治療法の特徴を詳しく解説していきます。

治療法①内服薬｜抜け毛の抑制と発毛効果が期待できる

AGA治療で処方される内服薬は次の2種類に分けられます。

• 薄毛の進行を予防するもの
• 新たな髪の発毛を促すもの

どのお薬を処方するかは症状に合わせて医師が判断します（複数の内服薬を処方される場合もあり）。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版」では、もっとも高く推奨されている治療法の一つです。

AGA治療の内服薬は、一度服用したからといって劇的に毛髪が変化するわけではありません。まずは乱れたヘアサイクルを正常化することからはじまるため、効果を実感するまでには長期にわたる服用が必要です。

治療法②外用薬｜ガイドラインで推奨度の高い治療方法である

薄毛部位に塗布し発毛を促す外用薬は、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版」ではAの「行うよう強く勧める」に評価されています。

複数の臨床試験で発毛の有効性が確認されており、かつ男女どちらの薄毛治療にも使用できます。

治療法③注入療法｜投薬治療の補助効果が期待できる

注入治療は毛髪の成長因子を含む薬液を頭皮に直接注入する治療法です。

注入治療を単体で実施するよりは、内服薬や外用薬による治療とセットで行われることが多いです。お薬の効果を補助することで、治療効果を実感できるまでの期間を短縮することが期待できます。

治療を行うクリニックや使用する薬液によっては「HARG療法」「メソセラピー」とも呼ばれます。

治療法④自毛植毛｜生着したあとは半永久的に生え変わり続ける

自毛植毛とは、自分の毛髪を薄毛部位に移植する植毛術のことです。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版」では、推奨度Bの治療法と評価されています。

1回の治療で完了し、生着した毛髪が半永久的に生え変わり続けるのが大きなメリットです。近年はメスを使用しない技術が普及し、従来の方法に比べ頭皮に負担の少ない治療ができるようになりました。

自毛植毛の生着率は82.5％（※）程度とされており、内服薬や外用薬で十分な効果が得られない場合に推奨されます。しかし、治療範囲によって数百万単位の費用がかかるため、気軽に受けられる治療とは言い難いでしょう。

※参考：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版」

治療法⑤光・LED治療｜薬剤治療との組み合わせで相乗効果が見込める

光・LED治療とは、高輝度LEDの光を毛乳頭細胞に照射する治療法のことです。頭皮の血流を改善し、毛母細胞の発達を促すことが期待できます。

副作用が少ないので、持病や体質などで投薬治療が受けられない方に適しています。治療に伴う痛みがないため、身体への負担もかかりません。また、内服薬や外用薬との併用で相乗効果が期待できます。

光・LED治療はクリニックでの治療だけでなく、専用の機器を購入して自宅でセルフケアを行うことも可能です。（機器の購入には医師の診察が必要です）

薄毛治療の費用相場｜数千円〜数百万円と治療法によって差が大きい

薄毛治療にかかる費用は、どの治療法を選択するかによって大きく異なります。治療法ごとの費用相場は次の通りです。

治療法	治療費の相場
内服薬	3,000〜15,000円／月
外用薬	10,000〜15,000円／月
注入療法	20,000〜60,000円／回
自毛植毛	300,000〜2,000,000円／回
光・LED治療	5,000〜10,000円／回

AGA治療ではまず、内服薬や外用薬による治療から開始するのが一般的です。お薬には複数の種類があり、症状に合わせて医師が処方するため費用相場にはある程度の開きがあります。（1種類のみの場合もあれば複数組み合わせる場合もあります）

注入療法は投薬治療の補助として使われることが多い治療法です。費用相場は1回20,000〜60,000円ですが、効果を高めるためには半年〜1年ほど継続することが推奨されます。

自毛植毛の費用は移植の範囲に応じて数十万〜数百万円と大きく変化します。

光・LED治療はほかの治療法に比べて1回あたりの単価は手頃ですが、治療に用いられる機器は国内でまだ認可を受けていません。

AGAのリスクが簡単にわかる｜毛髪ホルモン量測定キットとは

薄毛治療に関心はあるものの一歩を踏み出す勇気が持てない…。そんな方には自宅でAGAリスクのセルフチェックができる「毛髪ホルモン量測定キット」がおすすめです。

毛髪ホルモン量測定キットは毛髪を5本（※）採取するだけで、薄毛ホルモン（DHT）の量を測定するものです。（※3cm以上の毛髪を5本以上。長さが足りない場合は10本以上採取してください）

【レポート例と臨床試験結果】

※臨床試験の結果に基づき評価しています

採取した毛髪を検査機関に送付すると、2〜3週間ほどで検査結果レポートが自宅に届きます。

検査結果レポートは薄毛の原因特定や効果的な治療提案の参考にもなります。AGAリスクがわかればセルフケアの強化にも役立てられるので、薄毛でお悩みの方はぜひご活用ください。

毛髪ホルモン量測定キットについて詳しく見る

薄毛治療にまつわるよくある疑問

最後は薄毛治療について多くいただくご質問にお答えします。

Q.薄毛治療をしたら本当に髪は生えてきますか？

適切な治療で改善が見込めますが、一定以上進行している場合は改善されないこともあります。

また、薄毛改善のためには治療と合わせて生活習慣の改善やストレス解消、正しいヘアケアも心がけましょう。

Q.薄毛治療をしたらすぐに効果を実感できますか？

内服薬や外用薬による治療は、毛髪の変化を実感できるまでに数ヶ月ほどかかります。

お薬を服用してすぐに抜け毛が減ったり発毛したりするわけではありません。

Q.薄毛は遺伝するって本当ですか？

遺伝すると考えられています。

AGAの発症には、遺伝と男性ホルモンが深く関係していることがわかっています。

参考：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」

Q.どのタイミングで薄毛治療をはじめるのが最適ですか？

AGAかも？と思ったタイミングでクリニックを受診することをおすすめします。

具体的には、次のような変化を感じたタイミングです。

• 抜け毛が急激に増えた
• 毛髪の量が減った

AGAは進行性の脱毛症なので、何の対処もなく症状が改善することはありません。重症化してからでは治療の効果を実感できるまでに時間がかかることがあるので、早めの対策が必要です。

Q.薄毛治療は何科を受診すればいいですか？

まずは皮膚科・もしくはAGAクリニックを受診してください。

ただし、すべての皮膚科でAGA治療が受けられるわけではありません。皮膚科での治療を希望される方は、AGA治療が受けられるかどうかをあらかじめ確認することをおすすめします。

Q.植毛は痛いですか？

痛みの感じ方には個人差がありますが、術後に痛みを感じる方が多い傾向にあります。

術後に強い痛みを感じる場合は痛み止めで対処するのが一般的です。また、手術中は麻酔をするため痛みを感じにくいと言われています。

Q.女性の薄毛治療は男性とは異なりますか？

男性ホルモンに作用するお薬は女性の薄毛治療には使えません。

男女どちらにも使える治療薬もありますが、有効成分の配合量が異なります。クリニックで診察を受けたうえで、最適な治療法を選択しましょう。

Q.薄毛治療は医療費控除の対象になりますか？

薄毛治療の種類によります。

円形脱毛症の治療は医療費控除の対象となりますが、AGA治療は対象となりません。

Q.サプリメントで薄毛は改善しますか？

サプリメントを使用したからといって薄毛が劇的に改善することはありません。

サプリメントは「栄養補助のための食品」です。毛髪の成長に必要な栄養を補給する目的では活用できますが、それ自体に薄毛予防や発毛を促す効果は期待できません。

まとめ

多くの日本人男性を悩ませるAGA。

治療で改善できるとはわかっていても、効果や費用が不安でクリニックを受診できずにいる方は多いことと思います。AGAは適切な治療で症状の改善が見込めるので、薄毛の進行を予防したい方は前向きに検討してみるのがいいでしょう。

「薄毛でクリニックに通うのはちょっと…」という方には、自宅にいながらAGAリスクが把握できる毛髪ホルモン量測定キットの使用もおすすめです。AGAは早めの対策が重要なので、ご自身のAGAリスクを確認したい方はぜひご活用ください。