デュタステリドの効果と副作用
用法容量や禁忌、費用

デュタステリドとは

デュタステリドは、イギリスのグラクソ・スミスクライン社がAGA治療薬として開発した「ザガーロ」に含まれる有効成分です。薬名ではなく、成分名を指します。

もともとはAGA治療薬の有効成分としてではなく、前立腺肥大症の治療薬として開発されました。

しかしその後、AGAに対しても効果が期待できることが分かり、AGA治療薬として承認されました。

デュタステリドの効果

デュタステリドには、薄毛予防と発毛促進の両方の効果が期待できます。

AGAの治療薬は薄毛を予防する「守り系」と発毛を促進する「攻め系」に大別されますが、デュタステリドは「守り系」に分類される薬です。

しかし臨床試験では、被験者の毛量増加が確認されています。

このことから、デュタステリドは発毛を目指したい方にも処方されているのです。

日本皮膚科学会は、薄毛治療におけるデュタステリドの服用を推奨度A（行うよう強く勧める）と定めています。

参考：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

デュタステリドとフィナステリドの違い

デュタステリドとフィナステリドの違いは次のとおりです。

	デュタステリド	フィナステリド
薬効薬理	Ⅰ型とⅡ型の両方の5αリダクターゼに作用	Ⅱ型5αリダクターゼに作用
副作用の発現率	約17％	約1〜5％

参考1：ザガーロカプセル 製造販売承認申請書添付資料
参考2：ORGANON｜プロペシア錠添付文書

AGA発症のきっかけとなる5αリダクターゼに作用する点は両者で共通ですが、注目すべきはデュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方の5αリダクターゼに作用する点です。

Ⅰ型5αリダクターゼとⅡ型5αリダクターゼは、それぞれ分布する部位が異なります。

• Ⅰ型5αリダクターゼ：全身の毛乳頭細胞に分布
• Ⅱ型5αリダクターゼ：前頭部や頭頂部に分布

どちらにも作用するデュタステリドは、フィナステリドよりも広範囲の薄毛に効果があるとされています。

ただしその分、デュタステリドはフィナステリドよりも副作用の発現率が高いとされています。

※国内承認薬を処方可能なオンラインクリニックは以下のページを参考にしてください。

※フィナステリド・デュタステリドどちらを処方するかは医師の判断となります

デュタステリドの効果が出るまでの期間

デュタステリドによる治療効果は、早ければ服用開始3ヶ月ほどで実感できると言われています。

ザガーロの添付文書には「治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要」とあるため、まずは半年間服用を継続しましょう。

半年経って何も変化が見られない場合は、今後の治療方針を医師と相談してください。

デュタステリドを含むAGA治療薬

デュタステリドを主成分とするAGA治療薬には、次の3つの種類があります。

• ザガーロ
• デュタステリド
• アボルブ

ザガーロ

ザガーロはイギリスのグラクソ・スミスクライン社によって開発され、2015年に販売開始されたAGA治療薬です。

ザガーロには0.1mgと0.5mgの2種類があり、両者で副作用に大きな差はほとんどありません。よってクリニックでは0.5mgを処方されることが多いです。

デュタステリド

デュタステリドは、ザガーロのジェネリック医薬品です。ザガーロの特許期間満了にともない、2020年10月に販売開始となりました。

ジェネリック医薬品は安価で購入できるのが大きなメリットであり、今後デュタステリドを販売する製薬会社は増えると予想されます。

アボルブ

アボルブは前立腺肥大症の治療薬であり、正確にはAGA治療薬ではありません。

もともとデュタステリドは、このアボルブの有効成分として開発されました。

その後、投与された患者に多毛の症状が認められたことから、デュタステリドはAGA治療薬としても使われるようになりました。

アボルブとザガーロは有効成分が同じですが、そもそも適応症が異なるため、AGA治療のためにアボルブを服用することはできません。

デュタステリドの副作用と発現率

デュタステリドの臨床試験では、総症例557例のうち95例（17.1％）に以下の副作用が認められました。

• 勃起不全…24例（4.3％）
• リビドー減退…22例（3.9％）
• 精液量減少…7例（1.3％）

また、重大な副作用として以下の症状も報告されています。（以下すべて頻度不明）

• 肝機能障害
• 黄疸
• AST（GOT）、ALT（GPT）
• ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害

これら重大な副作用が発現した場合はすぐに使用を中止し、医師へ相談をしてください。

参考：gsk｜ザガーロ添付文書

デュタステリド服用時の注意点

デュタステリド服用時は、次の4点に注意しましょう。

1. 同じ種類の成分を服用しない
2. 女性・小児は服用禁止｜触れるのもNG
3. 肝臓に病気がある場合は、医師に事前に伝える
4. 前立腺ガンの検査を受ける予定がある場合は、医師に事前に伝える

①同じ種類の成分を服用しない

デュタステリドは、5αリダクターゼの阻害作用を持つ成分と一緒に服用できません。

具体的には、デュタステリドとフィナステリドの併用はできないのでご注意ください。

デュタステリド自体にも同じく5αリダクターゼの阻害作用があり、副作用のリスクを大きく高める恐れがあるためです。

他の薬を併用する際は、必ず医師に確認してからとしましょう。

②女性・小児は服用禁止｜触れるのもNG

以下に該当する方はデュタステリドの服用はできません。

• 女性
• 小児

デュタステリドの有効性と安全性は、20歳以上の健康な成人男性に対してのみ確認されています。よって女性や小児は服用できないのでご注意ください。

とくに、妊娠中・授乳中の女性の場合、デュタステリドが男性胎児の生殖機能の発育に影響を及ぼす恐れがあります。

成分は皮膚からも吸収されるため、妊娠中・授乳中の女性および小児は錠剤に触れるのも避けるようにしてください。

③肝臓に病気がある場合は、医師に事前に伝える

デュタステリドは肝臓で代謝されるため、少なからず肝臓へと負担をかけます。

健康な成人男性であれば重篤な副作用が出るケースは稀ですが、肝機能障害を持つ方は副作用が強く出る恐れがあります。

肝臓に病気がある場合は必ず医師へと伝え、服用可否の判断を仰ぎましょう。

④前立腺ガンの検査を受ける予定がある場合は、医師に事前に伝える

前立腺ガンを調べるためのPSA（血清前立腺特異抗原）検査を受ける場合、デュタステリドを服用していることを医師へと申告しましょう。

デュタステリドはPSA値を下げるため、デュタステリドを服用していると正しい検査結果が得られない恐れがあります。

正しい検査結果を得るためにも、申告漏れがないようご注意ください。

デュタステリドの料金相場｜10,000円前後が相場

デュタステリドの料金相場は月10,000円前後です。薬代以外にも、診察料などが発生する場合もあります。

なおAGA治療は自由診療なので、薬代や診察料は全額患者負担となります。

デュタステリドの個人輸入は危険です

デュタステリドを安価で販売する通販サイトもありますが、安易に利用すべきではありません。

医薬品の個人輸入には、次のようなリスクが潜んでいます。

• ニセモノの薬である可能性がある
• 副作用が起きても救済制度の対象にならない
• 成分や用法用量を正確に把握するのが難しい
• 治療効果や副作用の判断が難しい

個人輸入した薬には、正規品と同じ成分が含まれている保証がありません。

成分の配合量が少なく十分な効果が得られない恐れや、配合量が多くて重篤な副作用が出る恐れもあります。

個人輸入した薬で健康被害が生じても、公的な救済制度は利用できません。

また、個人輸入した薬は取扱説明書が外国語で書かれているため、適切な服用方法を把握できない可能性もあります。

デュタステリドを服用する場合は、必ず医師から処方を受けましょう。

★デュタステリドの効果と副作用｜用法容量や禁忌、気になる費用について

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デュタステリドの服用方法

デュタステリドの用法用量は1日1回1カプセルです。

服用のタイミングに決まりはありませんが、飲み忘れのないよう毎日決まった時間に服用する習慣をつけるといいでしょう。

デュタステリドにまつわるよくある質問

デュタステリドにまつわるよくある質問に回答していきます。

Q.デュタステリドは生え際の抜け毛にも効果がありますか？

生え際の抜け毛にも効果は期待できます。

デュタステリドはⅠ型とⅡ型両方の5αリダクターゼを阻害するため、生え際はもちろん頭部全体の薄毛に効果を示します。

Q.デュタステリドと併用禁忌の薬はありますか？

CYP3A4阻害作用を有する薬剤（リトナビルなど）は併用禁忌です。

CYP3A4阻害作用を有する薬剤はデュタステリドの血中濃度を上昇させ、腎機能を低下させる恐れがあります。

他にも思わぬ健康被害を防ぐためにも、服用している薬は全て医師へと申告するのが良いでしょう。

Q.デュタステリドのみでも薄毛を改善できますか？

デュタステリドのみで薄毛を改善できるかどうかは症状によります。

デュタステリドのみで薄毛が改善する場合もありますが、重症化している場合はミノキシジルを併用した方が高い効果を得られる可能性があります。

まとめ

デュタステリドの基本情報を以下にまとめます。

期待できる効果	薄毛予防・発毛促進
服用方法	1日1回1カプセルを服用
副作用	性欲減退、勃起機能不全、肝機能障害、黄疸、AST（GOT）、ALT（GPT）、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害
併用禁忌	CYP3A4阻害作用を有する薬剤
服用できない方	女性、小児

デュタステリドを安全に服用するためには、医師による診察を受ける必要があります。通販等の個人輸入には安易に手を出さないようにしましょう。

このページに掲載されている情報について

このページ内の情報は、あすか製薬メディカルが可能な限り調査および点検したものです。しかしながら、その確実性を常に保証するものではありません。また、医学的な判断については主治医の先生にご確認ください。

このページ内の情報を利用された結果、万が一不都合や不利益が発生することがありましても、あすか製薬メディカルは最終的な責任は負いかねます。

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